韓国は米国にとって重要な同盟国である。同盟関係が強固であれば、懇願されなくてもトランプ大統領は訪韓するだろう。しかし、トランプ大統領は日米首脳会談で「文在寅大統領は米日韓連携に何故そのように消極的なのか」と安倍総理に聞いたという。これは日米側にはっきりと同調しない韓国の態度に、不満を示したものだろう。

 G20後のトランプ大統領の訪韓では、米韓同盟の強化の問題や、日米韓の関係が話し合われるだろうが、それに加えファーウェイの問題も対応は難しい。今、韓国のIT企業各社は米中双方から、「こちらの味方になれ」と強要されている。韓国の企業にとっては死活問題だが、韓国政府は各企業に「自分で判断しろ」という方針だ。

 この問題は、トランプ大統領が火付け役だ。文大統領との会談で米国側に付くよう強い要請があるのは必定だが、韓国政府の対応は遅れており、外交部にやっと小規模な対策班を設けたばかりである。片方の肩を持つことで他方を敵に回したくないのが本音だろうが、米中が覇権争いをしている中でそれは許されない。きちんと国益を考えて決断するのが大統領の役割だ。しかし、文大統領にはその決断をするつもりがないのだろうか、ただただ、逃げ回っているばかりである。

習近平国家主席の訪韓はなくなった

 文政権は、中国の習近平主席にもG20前後の訪韓を要請していた模様だ。しかし訪韓は実現せず、G20での会合となった。ここでもファーウェイへの対応が問題となろう。

 どうするのか。米中双方にいい顔をするのだろうか。2月の米朝首脳会談が物別れに終わった理由の一つが、文大統領が双方に調子のいいことを言い、ミスリードしたからだろう。だから、会談後米朝双方から仲介役失格の烙印が押されたのである。米中の間でも同じことを繰り返すのだろうか。それではますます信頼を損なうばかりだ。

 中国との会談は、北朝鮮を巡り中国の協力を得るためだろう。しかし、今の中国は米国との貿易戦争に追われ北朝鮮に構っている余裕はない。金正恩委員長がロシアのプーチン大統領を訪ねたのは、中国があてにならないからだ。文大統領は中国を味方にするために、ファーウェイ問題で中国寄りの対応をしようとすれば、それはあまりにも東アジアの地政学を理解していないと言わざるを得ない。これまで、韓国に協力してきた国は米日であり、中国ではない。