韓国外交部は、かつては日本と中国を他のアジア諸国と切り離して、東北アジア局として対応していたが、日本は他のアジア局に組み入れ、中国だけ独立の局としている。ここまで重視してきた中国ではあるが、中国の方は韓国を重要視しているようにはとても思えない。片思い外交の典型だろう。

文政権の外交失敗の根本原因は北朝鮮への過度な融和姿勢

 結論的にいって、韓国の外交は理念に立脚するでもなく、国益に対する明確なビジョンもなく、ただ迷走するか、何もしないかだけである。あるのは北朝鮮と融和を図りたいとの一点のみ。このために、韓国の外交は各国から批判され無視されている。  

 故盧武鉉元大統領も北朝鮮との融和には熱心であったが、中東に韓国軍を派遣するなど、国際協力にも務めた。しかし、文大統領は北朝鮮との融和を図りたいがために米国との同盟関係を危うくし、中ロに寄り添い、日本とは歴史問題で決定的に対立している。

 北朝鮮の非核化は、世界の課題だ。そのため、遠く英仏も北朝鮮の瀬取り対策に協力している。しかし、韓国にはこれを見逃がそうとしている疑いがある。フランスのマクロン大統領との会談では、文大統領は北朝鮮の非核化意思を誇張し、制裁の緩和への協力を求めた。

 世界共通の課題に、当事国である韓国が背を向けるのであれば、韓国の外交の出番はない。今回のG20は、このことを実証することになるだろう。

(元・在韓国特命全権大使 武藤正敏)