米国がアフガニスタン戦争からの出口を模索するなか、中央アジアは新時代を迎えつつある。2001年9月11日の同時多発テロ事件後、米国はアフガンに平和と安定をもたらす取り組みを続けてきた。それが終わろうとしている今、中央アジアでロシアと中国が影響力を強めようと競い合っている。地域の専門家によると、中国とロシアはいずれも、イスラム武装勢力のアフガン国内の活動や国外への進出を警戒している。また、中国は習近平国家主席の下で押し進めている広域経済圏構想「一帯一路」で国内企業が投資した多額の資金を保護したい考えだ。中ロ政府はここ数年、アフガンでの自国の国益保護に一段と積極的な手を打っている。両国はアフガン政府の政治的支配力が弱まりつつあるなか、アフガン国内でタリバンが勢力を広げ、過激派組織「イスラム国(IS)」など国境を越えて活動するイスラム武装勢力の脅威にも直面しているとの認識を持つ。
中国とロシアが縄張り争い、変わる中央アジア
米アフガン撤退と中国「一帯一路」で交錯する各国の思惑
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