燃費不正問題から立ち直りつつある三菱自動車を新たな問題が直撃している。日産自動車や仏ルノーとの連合(アライアンス)の混乱が、三菱のビジョンを視界不良にしているのだ。(ダイヤモンド編集部 千本木啓文)

 2016年に燃費不正問題を起こし、信頼を失った三菱自動車にとって、この3年間は「信頼と業績の回復」に専念する時期だった。

 実際に、落ち込んでいた国内販売を回復させるとともに、東南アジア市場でのスポーツタイプ多目的車(SUV)の成功で業績は回復軌道に乗った。

 中期経営計画の最終年度である20年3月期には、17年3月期比で売上高30%増、販売台数40%増という目標を達成する勢いだ。

 ところが、規模のハードルを越える一方で、肝心の利益目標は大幅な未達になっている(図1)。その主因が自動車の電動化シフトに投じるコストの増大だ。