投資家はしばしば、中国が大量に保有する米国債を今後どう扱うかを熱心に予想する。実際の行動に移すには、中国の少し東に目を向ける必要がある。日本の対米投資の為替ヘッジ費用は米国債の利回りとともに低下している。この流れは通常、投資増加の前触れだ。日本の米国債保有残高は世界で2番目に多く、米財務省によると1兆ドル(約108兆円)を超えているため、日本の動向は米債券市場にとって重要だ。矛盾しているように思えるが、日本では予想されるリターンの低下は米国債の魅力を高める。ただ、外国人投資家に提供される実質的な利回りはヘッジ費用でかなり変わり得る。円ベースの投資家が1年後の変動リスクをヘッジする時の為替予約レートは1ドル=104.42円と、直物(106.96円)より2.37%割高だ。このヘッジをかけた場合、1年物米国債(利回り1.94%)の利回りは円転後にはマイナス0.4%近辺と、日本のマイナス利回りに慣れた投資家にとってはより親しみのある水準になる。