スマホ使用時の首には
3~5倍の重力がかかっていた!

 腕のしびれは、腕だけを診るのではなく、首・肩・腕を1グループとして考え、医学的には「頚肩腕痛(けいけんわんつう)」といいます。

 この、頚肩腕痛とスマホの利用は、ご察しの通り非常に関連性があると、多くの論文で述べられています1)

 特にスマホでの文字入力は首の痛みの他、腱鞘炎などの腱や関節の痛みの原因にもなります2)、3)

 ただ座っているときに比べて、スマホ使用時は3~5倍の重力が首の筋肉にかかります4)。そして、痛みの症状のある人のほうが、ない人に比べて文字入力時の首の屈曲が強い5)という論文もあります。

 つまり、スマホを使用すると、とにかく首に負担がかかるのです。

※参考文献:
1)『Xie Y et al. Applied Ergonomics 2017 Mar; 59(Pt A): 132-142.』
2)『Williams IW et al. The Journal of family practice 2011 Feb; 60(2): 66-67.』
3)『Berolo S et al. Applied Ergonomics 2011 Jan; 42(2): 371-378.』
4)『Vasavada AN et al. Ergonomics. 2015; 58(6): 990-1004.』
5)『Gustafsson E et al. Ergonomics. 2011 May; 54(5): 477-487.』

スマホで文字を打つ時に
注意したいこと

 すでに腕に痛みやしびれを感じていらっしゃる方は、文字入力時の姿勢が症状のない人に比べて悪いと考えられます。首は前屈して、どちらかに傾いていたり、動作時には首が過剰に動いたりします。このことを認識し姿勢に気をつけることが大切です6)

 スマホで文字を打つときには、以下のように対処してみてください。

・肘掛け、太もも、テーブルなどで前腕を支える
・両方の親指を使う
・頭を垂れるような姿勢をとらない
・高速で文字入力をしない

 スマホと頚肩腕痛との関連は論文で指摘されてはいますが、スマホが原因で頚椎椎間板ヘルニアになるわけではありません。このAさんのケースでは、元々頚椎椎間板ヘルニアを持っていたけれど、症状に気がついたのがスマホを使っているときだった、とも考えられます。

※参考文献:
6)『Xie YF et al. Applied Ergonomics 2018 Apr; 68: 160-168.』