米自動車大手のフォード・モーターとゼネラル・モーターズ(GM)がそろって「上位」に名を連ねる異例の事態となっている。両社株は現在、S&P500種指数の構成銘柄の中で配当利回りがトップクラスで、予想PER(株価収益率)は最低レベルとなっているのだ。両社の株価は2019年に入るまで大きく下落していた。自動車販売の低迷や、一触即発の米中貿易摩擦による影響への懸念が重荷だった。金利上昇で消費者が自動車を購入する際のローンの返済負担が大きくなることもマイナスだった。フォードとGMは18年の株価下落率がそれぞれ39%、18%で、S&P500種指数の6.2%安よりも軟調に推移した。19年は今のところ、市場全体と足並みをそろえて反発しており、フォードは33%高、GMは14%高となっている。米中貿易協議に一定の進展があったほか、金利のさらなる上昇という逆風もほぼやんだ。金利はむしろ低下し、10年物の米国債利回りは2%を割った。