「コミュニティ」分野を構成する、未婚率5年変化、自殺率、1人当たり建物出火件数の3つの指標は、当該自治体の人と人との絆の強さを表す。

「住民・福祉」分野を構成する指標のうち、1人当たり行政職員数は、自治体の行政規模が適正であるか否か。1人当たり児童福祉費(市区町村財政)、および1人当たり(65歳以上)老人福祉費(市区町村財政)5年変化は、それぞれ自治体が子どもや高齢者をどれだけ重視しているかを表す。

「女性の活躍」分野を構成する指標のうち、女性就業率、1人当たり(5歳以下)保育所等数5年変化は、女性の就業環境がどの程度整備されていて、実際に女性が家庭の外でどの程度活躍できているかを表す。

 地域の魅力は経済的な魅力と非経済的な魅力とに分けられるが、人を惹きつけるという観点から考えた場合、経済的な魅力(「生活基盤」)は実は地域の魅力の3割強にすぎない。実際には7割弱が非経済的な魅力(「教育」「コミュニティ」「住民・福祉」「女性の活躍」)から構成されることが、機械学習の手法により明らかになった。

 ランキングに話をもどそう。東京23区や市部、ならびにその近郊が上位30位にランクインしている。つまり、人を惹きつける魅力は都市部に多く備わっていると考えられる。

 さらに、分野ごとにブレイクダウンすると、上位30自治体では「生活基盤」分野、「教育」分野で、全市区町村平均を大きく上回るが、「女性の活躍」については全市区町村平均を下回る自治体が20存在するなど総じて水準が低くなっている。

人を呼び込むだけでは
自治体の持続可能性は確保できない

 一方で、かつての多摩ニュータウンのように、ある時人口の流入が多くても現在住民の高齢化で持続可能性が危うくなっている地域もある。このことからもわかる通り、人を惹きつける魅力が高いだけでは、自治体の長期的な地域力の向上だとか持続可能性には必ずしもつながらない。

 自治体において長期的に見た持続可能性が確保されるためには、年齢にかかわらず地域住民のどれだけが地域経済を支える活動に参画しているかが重要である。

 そこで、1人の高齢非就業者を何人の就業者が支えているかという指標を「地域力ストック指標」とし、2.5以上あればその自治体は持続可能、2.5は下回っているけれども1.5以上あれば準持続可能、1.5を下回れば持続不可能との基準を設定した。