世界中のカトリック信者が日曜のミサで福音「良きサマリア人」の朗読を聞いた。イエス・キリストが語った話だ。ユダヤ人の男が襲われ、息も絶え絶えで道ばたに倒れていたところに、サマリア人が通りかかった。他の人々は立ち止まらなかったが、サマリア人は大きな文化の違いにもかかわらず、自分にとって異邦人であるユダヤ人の前で足を止め、傷口を手当てして安全な場所に運んだ。福音が朗読されたのとほぼ同じ時間に、ドナルド・トランプ米大統領が今や誰もが知るところとなった扇動的なツイートをした。米国を批判する民主党の若手女性議員たちに対して、「完全に崩壊して犯罪が横行するそれぞれの地元」に帰るべきだと述べたのだ。同じ日曜に発せられたこうしたメッセージの対照性は際立っている。共和党のレトリックの変化も目を引く。共和党のロナルド・レーガン大統領は退任演説で米国を「輝く街」に例え、「調和と平和の中に暮らす多様な人々であふれ」、「そこへ向かう意志と心がある人なら誰にでも扉が開かれていた」と語った。
トランプ氏の「帰れ」ツイート、移民問題の傷口広げる
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