米連邦準備制度理事会(FRB)のジェローム・パウエル議長は、金融政策における世界情勢の重要性が増していると指摘した。米国外の経済成長が減速すれば、国内の雇用市場や個人消費が安定しているにもかかわらず、FRBが新たな景気刺激策を繰り出す可能性があることを示唆した。パウエル氏は16日のパリでの会合の講演原稿で、米国の景気拡大が低・中所得者層を含む自国の幅広い層に恩恵をもたらしていることも強調した。こうした層は常に十分に景気拡大の恩恵を受けてきたわけではない。パウエル氏は先週の議会証言で、世界的な経済成長の減速や貿易政策を巡る不透明感の強まりから経済を保護するため、今月の会合で利下げする用意があると示唆していた。この日の講演でもおおむね同様の見通しを示した。