竹富島の診療所医師も
日本人観光客の態度の悪さに辟易

「八重山STYLE」がオープンした2012年は、国内客は約64万人だったので、この6年で1.8倍に増えている計算だ。観光客の絶対数が1.8倍に増えれば当然、「マナーの悪い観光客」に遭遇する確率も1.8倍高くなる。

 もちろん、外国人観光客も増えているので当然、マナーの悪い外国人観光客も増えているということになるのだが、日本人よりも絶対数が小さいので目立たないのだ。たとえば、先ほどの2019年4月のデータによると、多くの日本人が「マナーが悪いといえば」すぐに連想する「中国人観光客」は3459人しか訪れていない。

 当たり前の話だが、マナーのいい中国人観光客もいる。3000人の中国人の中でハチャメチャをする人間よりも、10万人の日本人の中でハチャメチャをする人間の方がはるかに多いのは言うまでもあるまい。

 このように「数」を見ていけば、「八重山STYLE」の店主が、「日本人観光客のマナーが年々悪化している」と感じ、その被害を抑えるため「日本人お断り」に踏み切るのは、特に驚くような話でもないのだ。

 実際、このような問題の兆候というのは、石垣島周辺ではちょこちょこと現れていた。有名なのが、2017年7月、石垣島の隣にある竹富島の町立竹富診療所の医師がSNSで訴えた窮状である。

 一部の観光客らが診療所を訪れ、「金ならあるので、ヘリを呼んでほしい」など無理難題を要求したり、診断に対して「あなたは専門医じゃないので信じられない」と文句を言ってきたりするので、診療所のスタッフが疲弊しているというのだ。

 この問題も先ほどと同様で、確かに診療所でトラブルを起こす外国人観光客もいるだろう。しかし、絶対数の多さから、ほとんどはマナーの悪い日本人観光客によるものだということは容易に想像できる。実際、ハフィントンポストの取材に応じたこの医師は「歴代の医師が同じ悩みを抱えています。石垣島から一番近い離島で、島の規模に対して非常に多くの観光客が訪れるから」(2017年7月26日)と述べている。

 要するに、これは外国人観光客が増えるはるか以前からあった「日本人観光客」問題なのだ。