――筆者のグレッグ・イップはWSJ経済担当チーフコメンテーター ***  「もし月に人間を送りこむことができれば…」  アポロ11号は過去50年間、米国が本気で取り組めば――もちろん資金もつぎ込めば――実現できることの典型例とされてきた。  アポロ宇宙計画は、連邦政府こそが大きな課題を解決できるし解決すべきだと米国民が当然のように考えていた時代の絶頂期を象徴するものだった。同計画の費用は250億ドルに上った。これは国内総生産(GDP)に対する比率からすると現在の6000億ドル(約64兆9000億円)に相当する。