逃亡先の米国から中国政府幹部の汚職を告発していたとされる中国人実業家の郭文貴氏が、実は中国のスパイだったとの疑惑が浮上している。郭氏は自身の行為が中国当局を揺るがしているとし、米国への亡命を申請している。スティーブ・バノン前首席戦略官・上級顧問など、米国の対中強硬派も郭氏を支持していた。だが、郭氏と係争問題を抱えるワシントンの調査会社、ストラテジック・ビジョンUSは19日、連邦裁判所で、郭氏は中国政府のスパイだと主張した。郭氏の弁護士は、疑惑は「完全な誤りで、信頼性を欠く」と反論している。裁判書に提出された書類によると、郭氏は2018年1月、ストラテジック・ビジョンとの間で900万ドル(約9億7000万円)相当の契約を締結。中国共産党幹部と関連があるとする中国人のリストを渡し、財務記録やソーシャルメディアの投稿履歴、渡航記録などを調査するよう依頼した。プロジェクトの開始に伴い、郭氏はまず、100万ドルを支払った。