米大統領選へ向けた民主党候補者による2回目の討論会が行われる。WSJのジェラルド・F・サイブが解説する(英語音声、英語字幕あり) Photo: AP

 米大統領選へ向けて民主党候補の指名争いを繰り広げている20人の候補者による討論会がデトロイトで行われる。討論会は30、31両日、2グループに分かれて開催される。これまでの幾つかの世論調査や資金集めの状況から判断すると、5人の候補が集団の中から抜け出している。

 前副大統領のジョー・バイデン氏、マサチューセッツ州選出上院議員のエリザベス・ウォーレン氏、バーモント州選出上院議員のバーニー・サンダース氏、カリフォルニア州選出上院議員のカマラ・ハリス氏、サウスベンド市長のピート・ブティジェッジ氏の5人が、全米規模の調査や、早期の対決の場となる州での調査で、一貫して優位に立っている。彼らはまた、第2四半期中に他の候補らよりずっと多くの選挙資金を集めた。この5人は、6月にマイアミで行われた2日間の討論会の前の世論調査でも最上位を占めていた。ただし、前回の討論会での対決は、ハリス氏の評価を高めるものとなった。

 デトロイトでこの5人に加わる他の候補者らは、支持集めに苦労しており、民主党全国委員会(DNC)が定めた9月の討論会に参加するための厳しい条件をクリアするには、あと1カ月しか猶予期間が残されていない。

 30、31両日夜の討論会での注目点を挙げる。

1.「以前ほど礼儀正しくない」バイデン戦略は効を奏するか1.「以前ほど礼儀正しくない」バイデン戦略は効を奏するか

 バイデン氏は、31日の討論会では「以前ほど礼儀正しくない」人物になると宣言している。今回バイデン氏と同じ演壇に立つ候補者の中には、1回目の討論会で彼を攻撃目標にしたハリス氏だけでなく、1994年に犯罪者への厳しい処罰を規定した法案の成立に寄与したバイデン氏を「大量投獄の立案者」と呼んだことのあるニュージャージー州選出上院議員のコリー・ブッカー氏も含まれている。

 バイデン氏は各種世論調査でリードが縮小していることを受け、今回は反撃する姿勢を見せており、「彼らが過去についての議論を望むなら、私にも言うべきことがある。私には誇るべき過去がある。彼らには、あまり好ましくない過去がある」と語った。 ハリス、ブッカー両氏は、バイデン氏の過去、特に人種問題に関する事柄を持ち出す機会をうかがうことになるだろう。

2.党内のリベラル派と中道派のうち、どちらがより強い主張を展開できるか2.党内のリベラル派と中道派のうち、どちらがより強い主張を展開できるか

 討論会の1日目では、最も目立つリベラル派の候補であるサンダース氏およびウォーレン氏と、現実的な選択肢として自らを位置付けようとしている一握りの中道派の候補が顔を合わせる。 ブティジェッジ氏、テキサス州選出の元下院議員であるベト・オルーク氏、ミネソタ州選出のエーミー・クロブシャー上院議員、元コロラド州知事のジョン・ヒッケンルーパー氏、メリーランド州選出の元下院議員であるジョン・ディレイニー氏、モンタナ州知事のスティーブ・バロック氏と、オハイオ州選出のティム・ライアン下院議員はいずれも、メディケア・フォー・オール(国民皆保険)や学生ローンの免除など、ウォーレン、サンダース両氏が提案する政策の少なくとも一部を批判している。ただし、現段階では、どの候補も上位に食い込めずにいる。

 6月の討論会に参加しなかったバロック氏は今回、リベラルな対立候補に代替策を提案する初の機会を得る。

 サンダース、ウォーレンの両氏は、民間健康保険の廃止などといった自らの優先課題の擁護に回ることを強いられるだろうが、両氏が連携して擁護に回るか、それとも、互いの差を際立たせようとするかは分からない。

3.討論会を2日に分けて開催するのは今回が最後か3.討論会を2日に分けて開催するのは今回が最後か

 9月にヒューストンで開催される次回の討論会は、今回ほど多くの候補が参加できないとみられるため、1日で終わる可能性がある。

 今週の討論会に参加するためには、事前に認められた最低3つの世論調査で1%以上の支持率を得るか、6万5000人以上から献金を集めるかのいずれかの条件を満たす必要があった。9月の討論会に参加するためには、4つの世論調査で2%の支持を集め、13万人から献金を集める必要がある。

 30日の討論会の前の時点で、7人の候補が9月の討論会への参加資格を満たしていた。下位から抜け出すのに苦慮している多くの候補にとって、今週の討論会は、大統領選にとどまるための資金集めと支持獲得を加速させる最後のチャンスになる可能性がある。

4.上り調子の2人、勢いを保つか?4.上り調子の2人、勢いを保つか?

 ハリス上院議員とフリアン・カストロ前住宅都市開発長官はともに、前回6月の討論会で評価を高めた。討論会で他の候補を制した後、選挙資金集めも好調で、有権者の関心も高まっている。

 このためカストロ氏は、9月の討論会に出るための資金面の条件をクリアした。あとは支持率の条件を満たす必要がある。今回の討論会では、カストロ氏とハリス氏は同じ日に登場する。2人に対する期待値は上がっており、他候補もしっかりマークしてくるはずだ。

 ハリス候補は既に、9月討論会への出場権を確保している。もし今回も強いパフォーマンスを示すことができれば、「トランプ大統領を起訴する」ための最適候補という自身の主張を後押しする一段の信頼を得ることができるかもしれない。

5.若い候補者の激突は?5.若い候補者の激突は?

 オルーク氏とブティジェッジ氏の2人の若い候補者は、世代交代を掲げて出馬したが、ここへ来て勢いに差が出ている。オルーク氏は、知名度の高い候補として民主党の候補者争いに参戦したが、支持率争いで苦戦している。インディアナ州の小都市の市長で、無名候補として参戦したブティジェッジ氏に支持者を一部奪われている。ブティジェッジ氏はこのところ継続して支持率5位以内に入っている上、4~6月には資金集めでトップに立った。

 この2人は31日の討論会で、初めて同じ舞台に立つ。オルーク氏はここで突破口を見つけたいであろうし、ブティジェッジ氏は支持を固めたいところだ。

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