子どもの貧困対策
日本に「やる気」はあるのか?
7月29日、内閣府で、子どもの貧困対策に関する有識者会議が開催され、実態把握のための指標として37項目が取りまとめられた。
この日で第14回となった会議には、現在13名の構成員がいる。バックグラウンドは、貧困の中での子ども時代を経験した大学生を含め、当事者団体、自治体、支援団体、研究者など多様である。
とはいえ、「子どもの貧困に関する当事者の代表」と言える構成員は2人にとどまる。支援団体からの構成員には、過去、生活保護やシングルマザーに対する自己責任論的発言を行ったことのある人々もいる。
安心材料は、複数の研究者が構成員となっていることだ。現在進行中の「貧」と「困」を漏れなく把握できる調査とデータ分析、それらの根拠に基づく提案を、強く期待したいところだ。
実態把握がなければ、「子どもの貧困対策」はかけ声で終わる。どのような場面に、どのような子どもがいて、どのような「貧」と「困」を抱えているのか。成り行きはどうなるのか。カネ・モノ・ヒトそれぞれについて、何がどれだけ足りないのか。それが判明しない限り、「子どもの貧困」は解消しないであろう。
しかし正直なところ、私はこの37項目に「ガックリ」している。重要なはずの指標が外されているからだ。日本は今年2月、国連子どもの権利委員会に、子どもの貧困に関する実態把握の努力を暖かく評価されつつも、しっかり「ダメ出し」されている。それから半年も経過していないのに、なぜこうなるのか。