公正取引委員会
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GAFA問題で公取に芽生えた
「目立ちたい根性」

 吉本興業の問題が相変わらず世間を騒がせていますが、その中で先週、公正取引委員会(以下「公取」と記述)のトップが吉本興業に関して、「所属タレントとの間で契約書を交わしていないのは問題」と発言しました。

 この発言について、「さすが公取、大事なことを言ってくれた」と絶賛する人も見受けられますが、それは本当に正しい反応でしょうか。私は逆に、最近の公取は「目立ちたい根性丸出し」で、しかも間違ったことをさも正義の味方のように言う、問題の多い組織であることを露呈しているように感じています。

 と、いきなり主張しても全く理解されないと思うので、まずそう考える根拠というか、背景から説明しましょう。

 読者諸氏もご存じの通り、公取は独占禁止法(以下「独禁法」と記述)を所管・運用する行政機関で、委員長を含め5名の委員から構成されていますが、事務局として840人の国家公務員が在籍しています。

 そして公取の特徴として、独禁法の運用という業務の性格もあり、もともとはすごく地味な役所だったということができます。私が霞が関にいた頃は、他の役所は公取の相手など真面目にしませんでした。

 ところが、最近になって公取はGAFA問題で脚光を浴びるようになりました。というのは、独禁法は伝統的には市場取引を巡る企業の不公正な行為、つまり不当に価格を上げていないか、それによって消費者は不利益を被っていないかという点を重視してきました。

 しかし、米国ネット企業がネット上のプラットフォームで独占的な地位を確立する中で、無料サービスでも独占が消費者に不利益をもたらしていないか、データ独占は許されるのかといった点について、欧州委員会や米国の司法省が独禁法違反の観点から規制を強めつつあるのです。