例えば、収入が公的年金だけで200万円ないし250万円なら、手取り率は86~88%だ。このほかに企業年金や退職金の分割受け取り分が上乗せされ、年金収入が450万円あると、手取り率は83%と3~5%ダウンする。

 年金収入が増えると、所得税の税率が高くなったり、社会保険料の負担率も徐々に重くなったりすることが表から読み取れるだろう。

 一般的に、年金収入は多いほどいいと思われているが、実際には年金収入は増えるほど手取り率は下がるのである。

【ワザ(2)】
年金をもらいながら少し働くと手取り率アップ!

 年金の手取り率をアップさせるには、社会保険料の負担を下げるのが効果的だ。公的年金・企業年金を受け取りながら働き続けるのが対策。その際、勤務先の社会保険に加入し、少し働くのが、手取り率アップのワザとなる。

 リタイアして年金生活になると、自治体の国民健康保険と介護保険に加入することになり、再三述べているように、この保険料負担が結構重たい。

 ところが、年金を受け取りながら勤務先の社会保険に加入すると、健康保険料は給与だけにかかるため、負担はぐっと下がる。事業主と折半のうえ、「少しだけ」働くと、給与が少ない分、保険料も少額で済むからだ。

 先日、50~60代向けのセミナーで「年金収入が多いと国民健康保険料・介護保険料の負担が増して手取りが減るのでご注意を」と話したところ、終了後に男性が私のもとへ駆け寄ってきて、次のように話してくれた。

「あなたの言う通り! 退職金を全額年金受け取りしたら、国民健康保険料・介護保険料が最高額近く払うことになってびっくり。あわてて会社に“やっぱり一括で受け取りたい”と申し出たら、今から一括受取はできないルールだと言われた(変更できる会社もある)。

 仕方ないから、知り合いの会社に頼んで少しの給料でいいから社会保険に入れてもらって働くことにしたんだよ。

 そうしたら、自治体の国民健康保険料の請求はなくなったし、給与の年収は少ないから健康保険料の金額はちょっぴりで済むようになった。知らないとソンするね!」