ホワイトハウス関係者らの話では、ドナルド・トランプ米大統領が新たな対中関税の導入を決めた際、ピーター・ナバロ補佐官(通商担当)以外のアドバイザーの進言をすべて却下した。それ以来、世界経済と米国経済は悪化に向かっている。われわれは、この状況を、トランプ・ナバロ通商政策による景気減速と呼ぶべきかもしれない。トランプ氏はこれまで、株価が自身の経済運営の指針であるかのように語っていた。これは決して賢明な判断ではない。株価は多様な要因によって変動するからだ。しかし7日には、株式市場の調整を過度に気にすべきではないと公言した。ダウ工業株30種平均は7日朝に急落した後に安定を取り戻したが、同日終値はトランプ氏が関税攻勢を開始した2018年1月時点の水準を依然下回っていた。トランプ氏が株価を無視するのは自由だ。しかし、金融市場全体の動きは、貿易と通貨をめぐる緊張の高まりと世界経済減速への懸念を示している。