世界経済の一段の減速、そして景気後退リスクを知らせる警鐘が激しさを増している。最も大きなトラブルの多くは米国の外で起きている。だが、市場が発するシグナルからすると、史上最長の拡大局面にある世界最大の米経済にも低迷の脅威は広がりつつあるようだ。14日の発表によると、世界4位の経済大国ドイツの4-6月期(第2四半期)国内総生産(GDP)は減少した。世界2位の中国では工業生産が予想を下回った。週明けにはアルゼンチンの通貨と株価が下落し、南米有数の規模を誇る同国経済への懸念が浮上していた。14日のダウ工業株30種平均は前日比約800ドル(約3.1%)安と、今年最大の下げを記録した。この日は超安全資産とされる米国債が買われた。30年物米国債の利回りは過去最低に低下した。安全資産に対する需要のほか、低インフレと低成長が見込まれていることを示している。