ビジネスにおける「アート」「美意識」の重要性を提唱するなどで注目を浴びる山口周氏。同氏の新著『ニュータイプの時代――新時代を生き抜く24の思考・行動様式』では、「価値創造」「競争戦略」「思考法」「ワークスタイル」「キャリア戦略」「学習力」「組織マネジメント」の7項目で今後、どんな人材要件のシフトが起こるのかと考察している。この話題の新刊を、各領域の専門家はどう読んだのか。
社会構造やテクノロジーの変化に伴い、これまで「優秀」とされた人材が急速に価値を失っている。
ベストセラー『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』(光文社)や『武器になる哲学~人生を生き抜くための哲学・思想のキーコンセプト50』(KADOKAWA)などで話題の著作家、山口周氏の新刊『ニュータイプの時代──新時代を生き抜く24の思考・行動様式』(ダイヤモンド社)は、まさにその“シフト”を論じている。これまで優秀だと思われてきた人材が、軒並み「オールドタイプ」になると指摘するのだ。
同書の、「はじめに」のパートにはこうある。
──20世紀の後半から21世紀の初頭にかけて高く評価されてきた、従順で、論理的で、勤勉で、責任感の強い、いわゆる「優秀な人材」は、今後「オールドタイプ」として急速に価値を失っていくことになるでしょう。
一方、このようなオールドタイプに対置される、自由で、直感的で、わがままで、好奇心の強い人材=「ニュータイプ」が、今後は大きな価値を生み出し、評価され、本質的な意味での「豊かな人生」を送ることになるでしょう。──
オールドタイプ(旧型の価値観)とニュータイプ(新型の価値観)の思考・行動様式は、山口氏によると、以下のようにまるで違う。
本書では、第1章で「ニュータイプ」へのシフトを促している「6つのメガトレンド」について解説した上で、「価値創造」「競争戦略」「思考法」「ワークスタイル」「キャリア戦略」「学習力」「組織マネジメント」という7項目にわたって、今後、人材要件のシフトがどのように起きるのか、詳しく考察している(下記、目次参照)。
第1章 人材をアップデートする6つのメガトレンド――ニュータイプへのシフトを駆動する変化の構造
第2章 ニュータイプの価値創造――問題解決から課題設定へ
第3章 ニュータイプの競争戦略――「役に立つ」から「意味がある」へ
第4章 ニュータイプの思考法――論理偏重から論理+直感の最適ミックスへ
第5章 ニュータイプのワークスタイル――ローモビリティからハイモビリティへ
第6章 ニュータイプのキャリア戦略――予定調和から偶有性へ
第7章 ニュータイプの学習力――ストック型学習からフロー型学習へ
第8章 ニュータイプの組織マネジメント――権力型マネジメントから対話型マネジメントへ
ダイヤモンド・オンラインの連載「ニュータイプの時代 新時代を生き抜く24の思考・行動様式」では、本書からの一部抜粋記事や、山口氏によるオリジナル記事も公開している。
そして、この特集「『ニュータイプの時代』私はこう読んだ」では、山口氏が提唱する「ニュータイプの時代」というキーコンセプトを、それぞれの専門領域を持つ各界の第一人者がどう受け止めたか、に焦点を当てた。
登場いただくのは次の4人だ。