ドナルド・トランプ米大統領とボリス・ジョンソン英首相は英国の欧州連合(EU)離脱後、速やかに自由貿易協定(FTA)を結びたい考えだ。だが米英の双方で早くも逆風が強まっている。米英首脳はフランスで開かれた先進7カ国(G7)首脳会議(サミット)で、特に貿易に関する2国間関係をアピールした。トランプ氏は25日、英国がEU加盟国としての縛りから解放されれば、合意へ向けた障害はなくなると述べた。ジョンソン氏もこうした前向きな姿勢に呼応し、「われわれの行く手に立ちはだかる障害の幾つかが解消されれば」、協議が「素晴らしい」合意につながるとの見方を示した。ただ、米英間のいかなる協定も、英国がEUを離脱するまでは机上の空論も同然だ。その上、英国はEUの関税同盟にとどまる限り、個別の貿易協定を結ぶことはできず、EU域内の規制を受けることになる。ジョンソン氏はテレサ・メイ前首相がEUと合意した離脱協定案を修正し、より明確な決別を目指すと表明している。