先日、30代の女性患者さんがつらそうにしながらやってきました。
「会社ではエアコンがつけっぱなしで、パソコンを使って仕事をしていると、目が乾燥してきます。コンタクトなので、特に目が乾くように感じてしまって…。どうしたらいいでしょうか」
目が赤く充血しており、いわゆる「ドライアイ」の症状のようです。
ドライアイは、最近では身近な病気として広く認知されるようになりました。
私のもとを訪れる外来患者さんからも
「目が乾くと、まぶしかったり、かすみを感じたりする」
「コンタクトをすると、目が乾くような症状がでる」
「エアコンの下にいるときだけ目が乾く気がするけど、これはドライアイなのでしょうか」
などといった相談をよく受けます。
そこで今回は、知っているようで知られていない「ドライアイ」の実態や対処法を説明していきたいと思います。
女性の5人に1人はドライアイ
ドライアイとは、目の中で涙の状態が不安定になり、不快感や障害が出てしまうことを指します。涙の出る量が少ない、出るけれどすぐに蒸発して目が乾いてしまうなどといった場合、乾燥により、目に傷が生じてしまうことがあります。
ドライアイの自覚症状としては、目の乾燥感だけでなく、異物感・目の痛み・まぶしさ・疲れなどがあり、さまざまな不快感が生じます。
日本人を対象とした疫学調査の中には、男性の12.5%、女性の21.6%がドライアイと診断された報告があり(参考文献:Uchino M. Ophthalmology. 2011)、女性のほうが男性よりも発症しやすいことがわかっています。