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 中国の電子商取引大手アリババグループのベトナム事業は昨年、トイレットペーパーで大きな成功を収めるべく計画をとりまとめた。

 同社のホームグラウンドである中国では、トイレットペーパーはネット購入の人気商品であり、販売量は際立って多い。事情に詳しい関係者によれば、ベトナムでも数十万ドル相当のトイレットペーパーを仕入れ、ネットで格安販売したという。

 しかし、立ち上がったばかりのベトナムの電子商取引市場は中国とは違った。予想されたほど客が押し寄せることはなく、アリババの東南アジア子会社ラザダが売ったトイレットペーパーは当初計画のわずかにしかならなかったという。

 アリババは、中国という世界最大のネットショッピング市場を長年にわたり支配してきた。そして、多くの人々は同社が世界の他の市場も制覇すると考えていた。しかし、他の中国の巨大ハイテク企業と同様、アリババは国内の支配的地位を世界的成功に結び付けるのがいかに難しいか思い知らされている。

 アリババの各種ショッピングサイトにおける取引量は、世界のどの企業よりも多い。今年3月末までの会計年度には中国で6億5400万人が8530億ドル(約91兆4800億円)相当の商品を購入した。これはアマゾン・ドット・コムとイーベイのサイトでの合計販売額よりも多い。

 昨年度のアリババの売上高は562億ドルで、その66%に当たる369億ドルを中国国内の小売事業が占めた。

 2014年に世界最大の新規株式公開(IPO)によって上場企業となった同社は、グローバル化を優先課題に掲げた。しかし、シンガポールやインドなどに50億ドル超を投資したにもかかわらず、グローバル化は勢いに欠いたままだ。昨年度の国際小売事業の売上高は、全体の5%に当たる29億ドルだった。