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各国の事情は違っても課題は共通

 世界中で急速な高齢化が始まりつつあり、各国は共通の課題に直面している。世界全体では5歳未満の子供よりも65歳超の成人の方が多い。国連の推定によれば、2050年には6人に1人(16億人)が65歳超となる。これは大きな問題だろう。

 文化的規範、人口動態、経済や政治制度が違っても、課題は共通である。高齢化が進む国は、国を破産させることも、若者に過大な負担を負わせることも、ケアを必要とする人を見捨てることもなく、長寿化を支えるための財政的に持続可能な道をどうすれば見つけられるのだろうか。

 高齢化の最先端にある日本は、既に人口の28%が65歳以上で、対策が喫緊の課題である。中国は他のどの国よりも急速に高齢化が進んでおり、半世紀の間に平均寿命が30年延びた。これは西欧先進国の2倍のスピードで、同国に与えられた準備期間は他国と比べて非常に短い。高齢者にとって幸せな国として知られるスウェーデンでさえ、80歳超の年齢層の急速な増加により、予算が圧迫されている。

 ミルケン・インスティテュートの高齢化研究センター所長、ポール・アービング氏は、「予防・健康プログラムに投資し、労働寿命を延ばし、人々が積極的に社会活動に参加できるようにしない限り、膨大なコストが生じる可能性がある」と指摘する。同氏は「われわれは危険を冒して高齢化を無視することもできるが、現実を受け止めて政策、慣習、規範や文化を変え、高齢化を利用することも可能だ」と語る。

 今夏の主要20カ国・地域(G20)会合では、高齢化が対処を必要とするリスクとして初めて特定された。完璧な対策を開発した国はないが、各国の状況を知れば、米国が自国の高齢化に取り組む際の助けとなるだろう。本誌は政策ウオッチャー、学会、業界専門家に対して、就労期間の長期化、退職貯蓄、長期ケアや介護といった高齢化のさまざまな課題に取り組む上で米国の参考となる国を聞いた。