患者1人で闘うのではなく
家族や緩和ケア医と闘う

――患者本人ではなく、家族だけで相談に乗ってもらうこともできるのでしょうか?

 ご家族の方だけが緩和ケア外来にいらっしゃることもあります。また、患者さんとご家族、お互いが話せる場をつくることもあります。

 今は外来で行われる治療もたくさんあります。例えばがんでは、飲み薬、点滴、抗がん剤の点滴も外来で行います。かつてはご家族が病状を知りながら、患者さんだけが本当の病気を知らなかったこともありますが、インフォームドコンセントが一般的になり、患者さん、ご家族双方が病名を知るようになりました。そして今では、外来治療が中心のため、本人は知っているがご家族は知らないというケースが増えてきました。

 患者さんは家族に負担をかけたくないとの思いから、1人で外来を受診。ご家族も「治療がうまくいっているのだろう」と思い込んでいます。しかし、実はがんが進行し、全身の骨や肝臓に転移している……。後で知ったご家族は、ああしてあげたかった、こうしてあげられた、と後悔の念にさいなまれます。患者さん1人で闘うのではなく、家族とともに病気と向き合えるよう、私たちはさまざまな相談に乗り、心のつらさを軽くしていく。それも、緩和ケア医の役目なのです。

――緩和ケア外来では、どれくらいの時間、話を聞いてもらえるのでしょうか?

 当院の緩和ケア科では、初診で1時間、再診で20~30分くらいでしょうか。患者さんにしてみると、伝えたいことや聞きたいことなどがいくつもあり、決して十分な時間ではないかもしれませんが、患者さんに何らかの変化が見られた場合は特にきめ細やかに、丁寧に対応するようにしています。なお、緩和ケア外来にかけている時間は、病院によって異なりますので、事前に確認するようにしてみてください。