木田厚瑞(きだ・こうずい)医師。臨床呼吸器疾患研究所 呼吸ケアクリニック東京 統括責任者、東京医療学院大学客員教授。
木田厚瑞(きだ・こうずい)医師(臨床呼吸器疾患研究所 呼吸ケアクリニック東京 統括責任者、東京医療学院大学客員教授) Photo by Hiromi Kihara

名医やトップドクターと呼ばれる医師、ゴッドハンド(神の手)を持つといわれる医師、患者から厚い信頼を寄せられる医師、その道を究めようとする医師を、医療ジャーナリストの木原洋美が取材し、仕事ぶりや仕事哲学などを伝える。今回は第16回。呼吸器内科を究め、特にCOPD(慢性閉塞性肺疾患)の名医として知られる木田厚瑞医師を紹介する。(医療ジャーナリスト 木原洋美)

90%以上が未診断・未治療
呼吸器の生活習慣病COPD

 COPD(慢性閉塞性肺疾患)という病気をご存じだろうか。

 2001年までは、肺気腫や慢性気管支炎と呼ばれており、COPDという呼称に統一されて久しい現在では年間1万6184人(2014年)もの患者が亡くなっている極めてポピュラーな疾患だ。しかし、認知度はまだまだ。

「日本人の死因第10位、世界の死因では第4位で、日本には620万人もの患者がいると推定されています。しかし、医師の間でさえ理解は広まっておらず、正しい病気を診断されないまま亡くなっているケースは相当な数になるでしょう。90%以上の患者さんが未診断・未治療だと思われます。

 日本の死因の第3位は肺炎(5位の肺炎と7位の誤嚥性肺炎を合わせると3位になる)です。COPDはその中に入っている。要するに日本では診断率が非常に低いので、未診断のまま最後に動けなくなって肺炎で亡くなるというパターン。最後まで見落とされているのです」

 そう警鐘を鳴らすのは、呼吸器疾患の名医・木田厚瑞先生(呼吸ケアクリニック東京 統括責任者)だ。

 なにせCOPDの病態は紛らわしい。