台風15号が関東地方に上陸し、JR在来線が運転見合わせ、新幹線にも2時間ほどの遅れが出た。一利用者として東京駅にいた私には、構内放送、電光掲示板、駅員の案内の混乱が目についた。顧客対応を一元的にハンドルするコントローラーが必要だ。(モチベーションファクター代表取締役 山口 博)
新幹線ホームページにも
駅員にも期待してはならない
強い勢力の台風15号は9月9日未明に関東地方に上陸した。JR東日本は、始発から午前8時頃までの首都圏の全ての在来線の運転を見合わせると前日に発表した。台風接近前に運転見合わせを発表するのは初めてだという。
台風上陸の9日に福岡でセミナーを開催することになっていた私は、空路移動する予定にしていたが、前日に欠航が発表された。在来線にしても空路にしても、早い段階での欠航を決めてくれることは、それに応じて対応ができるのでたいへん助かる。当日東京駅6時発の新幹線のぞみ号始発で移動する計画を立てた。
前日にも東京駅にいた私は、駅構内の放送が耳に留まった。台風15号の影響で、前日夜から新幹線運行本数を減らしたり、最終列車を繰り上げるという。そして、「詳しくは、ホームページをご覧ください」と放送された。
東海道新幹線の運行状況を示しているホームページにアクセスすると、9日の個別の運航状況には特段の記載がなく、一部列車が運休したり遅れが出ることが見込まれるという意味の記載があるだけだ。台風の進路やその影響にもよるだろうから、間際にならないとわからないだろうと思っていた。
9日の未明4時台にホームページにアクセスすると、依然「定時発車見込み」と記載されている。その記載をうのみにした私は、東京駅に5時に到着した。改札口には既に20人程度の人が立っていて、改札が開くのを待っている。改札前には、6時のぞみ1号以降の発車時刻と何番線から発車するかの電光掲示板がある。「遅延」や、「運行見合わせ」の表示はない。
予定通りかとも思ったが、念のためと思い、駅員に聞くと、「わからない」「何も情報が入っていない」と言う。台風接近の異常事態なので、無理もないだろうと思いつつも、心配になり始めた。
その後、構内放送がされ始めた。「強風と飛来物の除去のため、東海道新幹線は始発から運行を見合わせます」という。「ホームページでは定時発車見込みとございますが、運行を見合わせます」という放送もあった。
放送がされると、その都度、駅員が改札口近くで、拡声器を使って、「ただいま放送がございましたように」と前置きをおいて、同じ内容を話してくれる。本当に駅員たちも「わからない」し、「何も情報が入っていない」のである。