両国間の旅行需要だけでなく、姉妹都市交流や学生の交流などの事業も中止が相次いでいる。昨年3000万人の外国旅行客のうちおよそ25%は韓国からだが、今年はどれほど減ることになるのか、懸念される。

 将来に向けての日韓関係の重要性は本来もっと論じられてよい。

 中国が大きく台頭し、「自国第一」のトランプ大統領の下で米国の世界のリーダーとしての信頼性が低下し、地域のパワーバランスが変わっていくとき、日本が必要なのは日米同盟関係だけではなく、ASEAN、豪、印などアジア諸国とのパートナーシップを強化し、重層的な安保外交関係を構築していくことだ。

 本来であれば、日本が真っ先にパートナーシップを組むべき韓国との関係悪化は大きな痛手だ。

 対北朝鮮関係では、情勢が厳しくなっても、あるいは現在の米朝交渉が前進しても、日米韓の協力関係は必須だ。日本の安全保障に重大な影響がある北朝鮮核問題について日本は積極的に関与していなければいけないが、韓国との亀裂は日本の関与自体にも大きなマイナス要因だ。

「対韓強硬論」が効果的なのか
強い日本への「恨」の意識

 韓国に対して強く当たるべきだという議論の背景には、「韓国は日本との約束を守らず、懸案解決に当たってもゴールポストを常に動かし、信頼がない、これは日本が韓国を甘やかしすぎたからだ」という意識がある。

 韓国では保守政権・進歩政権の政権交代による政策変化だけではなく、韓国国民の間に広く浸透している反日的意識を国内政治のために使うことが日常的に行われる。

 とりわけ今の文在寅政権の青瓦台(大統領府)の側近には、「86世代(60年代に生まれ韓国が民主化した80年代に学生生活を送った世代)」の中でも、原理主義的な進歩派、市民運動出身者が多く、対日政策も過去の歴史にこだわった硬直的な傾向が強い。

 韓国国内の保革の分断も極めて深刻で、大統領の支持率を上げるため対日強硬路線が使われている面は否めない。

 日本でもナショナリズムは台頭し、「主張する外交」の勢いは増し、国内の反韓感情を反映した政策が語られる。