秋の花粉症の原因として有名なブタクサ秋の花粉症の原因として有名なブタクサ Photo:PIXTA

ようやく過ごしやすい季節になった。ただし、寒暖差が激しい秋は季節性のアレルギー鼻炎や結膜炎に悩まされる人も多い。いわゆる「秋の花粉症」だ。(医学ライター 井手ゆきえ)

秋はイネ/キク科の植物が原因
9月中旬~10月中はブタクサ

 春のスギ花粉症とならんで、市民権(?)を得た感がある「秋の花粉症」。主なアレルゲンはイネ科とキク科の植物で、地域差はあるが、キク科のブタクサの花粉は9月初旬~中旬ころから飛散が始まる。本来なら、そろそろピークが過ぎる頃なのだが、気候変動の影響でこの数年、飛散時期が長引く傾向があり、まだ油断は禁物だ。

 草本植物のブタクサは丈が低く花粉の飛散距離が短い。従って、群生している河川敷や線路沿い、空き地などに近づかないことが一番の対策になる。

 折しも、秋は寒暖差の影響で呼吸器疾患が増える季節。まさか自分が秋の花粉症と気づかないまま、誤った治療を続けている人も少なくない。水のような鼻水やくしゃみがとまらない、眼の周りがかゆい、ピリピリする、頬が赤くなるなどの典型的な症状がある場合は、かぜと決めつけずに一度はアレルギー専門医がいる病院を受診してみよう。