長時間労働の最大の原因は
夜中まで続く「国会対応」だった!

「不夜城」と呼ばれるほど、夜遅くまで働く霞が関の国家公務員たち。なぜこれほどまで長時間労働を強いられるのか、その理由をOpenWorkに投稿されたクチコミから探ってみると、「国会対応」というキーワードが浮かび上がってきました。

【財務省職員の「クチコミ」】
「やや改善していこうとする動きは見られるが、ワークライフバランスに対する意識は民間企業に比べると乏しい。国会や政治家等への突発的な対応が求められることも多く、プライベートを犠牲にされることも多々あり(企画・調査、男性)」

「国会業務や予算編成、税制改正など長時間労働が基本なのでワークライフバランスは諦めざるを得ないです(事務職、男性)」

【文部科学省職員の「クチコミ」】
「平日にプライベートの予定を入れることはほぼ無理。『多忙なのは国会会期中に限る』、という職員もいると思うが、国会は毎年1月中下旬~6月中下旬頃(遅ければ8月)と、9月頃~12月中下旬頃まで開催されるのが通常。その間毎日、自分の部署が国会答弁作成する必要がある訳では無いが、国会のために急に仕事が入る(それも定時後)ことが多くあるので、平日の習い事や霞が関以外の人との約束は実現不可能と考えてよいと思う(企画・調整、女性)」

「きわめて調整しにくい。国会対応を筆頭に業務は基本受け身であり、自分でコントロールできない上に、突発的に発生する案件も多い。また、対面でレクや相談をしなければならないことも多いので、例えば子供が病気になったから家でリモートワーク…ということもなかなかできない。他方、平日がいくら多忙でも土日は基本オフだったので、土日にしっかり休息をとってリフレッシュすることはできた(事務系総合職、男性)」

【経済産業省職員のクチコミ】
「数年前と比較して、自宅でも職場と同じPC環境で仕事ができるようになったり、テレワークやフレキシブルな勤務体系を奨励する取組が進められていたり、国会業務の迅速化に向けた取組が進展しており、大幅に改善されているように感じる、ただし、国会業務を始め、国会や他省庁や海外政府との関係など、他律的な要因で、ある程度の制約が生じることは当然あり得るが(企画、男性)」

「ワークライフバランスについてはあまり保たれていなかったが、最近は働き方改革に力をいれている。月1日の有給休暇取得の奨励やテレワークの推進など。その風土は根付きつつあり、とりやすい雰囲気ができつつある。残業は部署によって全く異なり、残業がほとんどない部署もあればかなりの残業が常態的に発生するところもあり(事務、男性)」

「国会対応」とは、国会で質問を受ける議員の答弁を作成する重要な業務で、議員からの「質問通告」を待機し、各省庁に割り振られた後に答弁作成が始まります。

 内閣官房内閣人事局の調査(「国会に関する業務の調査・第3回目(調査結果)」)によると、質問取り(または質問要旨の受領・確認)が終わる17府省庁での平均時刻は20時19分、省内での質問表・答弁作成局の割り振りが確定する平均時刻は22時28分となっていました。最も遅い時刻は、質問取りが23時30分、割り振りが26時35分だといいます。

 働き方改革を推進しようとしている国会議員の“お世話”のために国家公務員が、深夜まで残業を強いられる――。こうした国会運営の構造的な問題を解決しない限り、霞が関の働き方改革は難しいのではないでしょうか。

(本記事はOpenWork[オープンワーク]からの提供データを基に制作しています)

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