企業利益は増えている。デフレは終わった。にもかかわらず、日本の株式市場は悪く言われており、低迷しているユーロ圏よりも割安に評価されている。投資家は、安倍晋三首相が2012年にアベノミクスを開始して以降放った金融緩和政策、財政出動、資本・雇用市場の改革という「3本の矢」が不発に終わったと考え、すぐには目標を達成できないだろうとみている。筆者は別の解釈を支持する。日本の株式市場は、景気および為替の変動の影響を受けやすいシクリカル銘柄(景気敏感株)によって占められている。こうした企業の利益は急増しているが、世界的な景気低迷状態がさらに悪化すれば、すぐに逆戻りする可能性があるという解釈だ。投資家はどこにおいても、こうしたシクリカル企業の利益をあまり高く評価しない。日本のものなら、なおさらだ。
日本株は割安、楽観主義者の見立てでは
アベノミクスは多くの投資家が考えているほどの失敗ではない
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