非製造業を支えている個人消費の回復基調が、10月からの消費増税で頓挫する可能性は高い Photo:123RF

製造業の減速は世界的な現象
一方で非製造業は堅調に推移

 2019年も第4四半期に入ったが、世界的な製造業部門の減速は一段と鮮明になっている。PMIやISMといった企業の景況感をみると、製造業景気指数は主要国の大半で判断基準の分かれ目である50ポイントを割り込んでいる。そうでない国も、低下傾向を辿りながら50ポイントに近づいている。製造業部門の減速は、世界的な現象となっている。

 一方で、非製造業部門については製造業の景況指数よりも高めの水準を維持している国がほとんどだ。なかでも、先進主要国は判断基準の50を上回る水準で堅調に推移している。製造業分野で減速傾向が顕著となっている一方、非製造業部門が堅調に推移していることで、足元の世界経済は減速しているものの、失速には至っていない。世界経済の先行きは、景気を支えている非製造業部門の減速を押さえられるかどうかにかかってくる。

製造業減速の要因
在庫調整が生産を抑制

 製造業部門の減速は、米中貿易摩擦の影響としてくくられてしまうことが多いが、それは要因の1つに過ぎない。そもそも、世界的に在庫調整局面に入っていることで、生産活動には抑制圧力がかかった状態にある。在庫循環の観点からは、世界の多くの国は2016年後半から徐々に在庫調整を終え、2017年初の頃には多くの国が生産拡大局面に入っていた。

 1990年代以降、在庫循環のスピードはやや速まる傾向にあり、出荷の伸びが在庫の伸びを上回る生産拡大局面が2年~2年半程度、逆に在庫の伸びが出荷の伸びを上回る在庫調整局面が1年~1年半程度となっている。今回も、生産拡大局面入りしてからおおむね2年~2年半程度で在庫の伸びが出荷の伸びを上回り始め、2019年半ばには世界的に在庫調整局面に突入したと考えられる。

 在庫調整局面入りしたきっかけとしては、そもそも出荷の伸びが頭打ちとなったことや、米国の利上げ、中国の過剰政務圧縮優先による内需の減速、そして米中貿易摩擦など様々な要因が考えられ、国ごとに主因も異なるだろう。たとえば日本では、在庫の伸びが出荷の伸びを上回り始めたのは2017年の後半頃からで、米中貿易摩擦によって関税が引き上げられるようになる前だ。すなわち、日本において米中貿易摩擦の問題は、生産活動の減速を後押ししているものの、きっかけにはなっていないということだ。