収入とは、自営業なら売り上げ、会社員やパート職員などは勤務先から受け取る給与のことを指す。課税所得は、この収入から必要経費や各種所得控除などを差し引いて計算するが、所得控除を受けられるかどうかは個人差がある。そのため、実際には収入がそれほど多くないにもかかわらず、各種所得控除が少ないために、自己負担割合を判定する際の所得が規定のラインを超えてしまうことがある。

 そこで、収入が多くないにもかかわらず、所得控除が少ないために3割負担になってしまった人を、本来の1~2割に戻すために設けられているのが「基準収入額の適用申請」だ。収入が、下記のラインよりも少なければ、申請することで自己負担割合を引き下げることができるようになる。

・単身者:本人の年収が383万円未満

・2人以上世帯:被保険者や被扶養者全員の年収が520万円未満(本人と同一世帯の70歳以上の人の収入の合計が520万円未満)

 自分の所得と収入は、住民税の納税通知書などを見ればわかるようになっている。収入が上記の範囲内なら、課税所得が一定以上でも自己負担割合を引き下げられる可能性があるので、3割負担となった人も、あきらめずに申請してみよう。届け出先は、健康保険の加入者は勤務先の担当部署、国民健康保険や後期高齢者医療制度は市区町村の窓口だ。

 ただし、自分で手続きしないと、自己負担割合の引き下げは適用されないので、納税通知書や公的年金等源泉徴収票など収入を確認できる書類をもって、担当窓口に相談に行ってみよう。

 老後の生活を安定したものにするためにはできるだけ長く働いて収入を得ると同時に、支出はできるだけ抑える工夫も必要だ。公的保険や税金など国の制度は、所得に応じて救済措置が多く設けられているが、その存在を知らず、手続きしなければ、せっかくの制度も使えない。

 対象になる可能性のある人には、必要書類を送ってくれる自治体や健康保険組合も多いので、公的保険や税金に関する書類は、そのまま放置しないこと。必ず封をあけて内容を確認し、お得に使える制度はとことん使って、人生100年時代を乗り切ろう。

(フリーライター 早川幸子)