同期「同期のつながり」に変化が起ころうとしています Photo:PIXTA

 95期がいよいよトップに就任するね。あの期は個性派ぞろいで有名だし、しかもこぞって優秀だし、同期の絆も強いし、言うことなしだね――というのは、最近の宝塚歌劇についての話である。

 一般社会でも、同じようなことがささやかれているのではないだろうか。「同期」――単に同じ時期に仕事を始めたというだけではなく、日本独特の慣習における特別な存在としか言いようがない。したがって、英語にしようにも全く伝わらない(英語には同期に相当する概念がないので、co-workerやcolleagueといった同僚を意味する以外に、どうしても同じ年に会社に入ったことを強調したければ、説明的に言うほかないであろう)。

 同期とは同じ時期に仕事を始めたということ以外に、次のような意味合いを持っている。

日本企業特有の“同期”
4つの意義とは?

(1)つらく厳しい時期を協力しあって乗り越えた仲間

 新人時代、同期とは組織の最下層からまったく同じ立場で一緒にスタートしている。名刺獲得キャンペーンやら、難しい社内試験への挑戦やら、場合によっては野外のキャンプなど幾多の通過儀礼を通じて、自然と強い連帯感をはぐくむ。これらの共通体験を経て、同期はただの同年入社の人から、一緒に厳しい状況を乗り越えた戦友という位置づけに変わっていくのだ。