9万部を突破した『まいにち小鍋』シリーズの最新刊『まいにち湯豆腐』が絶賛発売中です。豆腐の約90%は「水分」ですから、低カロリー、低脂肪、低糖質なのに、大豆を原料とする栄養価の高い食材。湯豆腐は、ダイエットにも最適なヘルシー料理。ただ、湯豆腐はシンプルなだけに、どうしてもワンパターンになりがち。そこで、人気料理家である小田真規子先生に、10分でぽっかぽかになれる絶品レシピの数々を教えていただきました。本連載では、おいしい「湯豆腐」「小鍋」の作り方と、選りすぐりの逸品をご紹介します。
朝晩と冷え込むようになってきましたね。肌寒さを感じながら帰宅するときに、「小鍋料理」や「湯豆腐」が恋しくなっている方も多いのではないでしょうか?
ただ、「小鍋」や「湯豆腐」は具材が少ないシンプルな料理なだけに、ワンパターンになりがち。そこで、9万部突破の人気シリーズ『まいにち小鍋』『まいにち湯豆腐』の著者である小田真規子さんに、「小鍋」「湯豆腐」の味付けの基本を教えていただきました。下図の3つの要素で味付けを工夫すれば、無限のバリエーションの「美味しさ」をつくることができるそうです。
(1)味の基本
基礎調味料の塩・しょうゆなどでシンプルに味つけをします。素材の味わいをスープに引き出す最大のポイントは塩分です。加熱しても味が変化しない塩をベースに、しょうゆや味噌を加えるのがコツ。エスニックの風味はナムプラーをベースにすると簡単です。
(2)コク・旨み
素材のコク・旨みをベースにして、油や調味料を加えます。ごま油・バターなどを適度に加えることで、一気にコクが濃厚になり、昆布・けずり節・黒酢なども少量加えると、味に深みが生まれ、香りも引き立ちます。
(3)香り・辛み・酸味
(1)(2)の調味料をベースに、スパイス・薬味や酸味でアクセントや味のキレをつくります。味や食感に変化をつけたり、コクや旨みを倍増させる効果があります。「小鍋」「湯豆腐」はこのトッピングが味つけのキモになります。
では、この味付けをベースにつくられた絶品「湯豆腐レシピ」をひとつお伝えしましょう。レシピ名は「塩たら味噌豆腐」。味噌を「味の基本」に使った、ビールにぴったり合う「おつまみ湯豆腐」です。
【具材】
絹ごし豆腐(4等分に切る)…1丁(300g)
塩たら(一口大に切る)…1切れ
【スープ】
昆布(5cm角)…1枚
水…2カップ
【たれ】
味噌…大さじ3
ごま油…大さじ1
【仕上げ1】
白菜(繊維を断つように細切りにする)…100g
【仕上げ2】
全形海苔(ちぎる)…適宜
万能ねぎ(小口切り)…適宜
【つくり方】
1 小鍋に【スープ】と【具材】を加えて中火にかけ、煮立ったら弱火で5分煮る。
2 【たれ】を加えてさらに5分煮て、【仕上げ1】を加えて、火が通るまで2~3分煮る。
3 【仕上げ2】を散らしていただく。
このように、味噌を「味の基本」にして、昆布とごま油で「コク・旨み」をつくり、のりと万能ネギで「香り」をつけています。簡単なのに絶妙の味わいの「塩たら味噌豆腐」を、ぜひお試しください!
料理家・栄養士・フードディレクター。女子栄養大学短期大学部卒業後、料理家のアシスタントを経て、有限会社スタジオナッツ(www.studionuts.com)を設立。誰もが作りやすく、健康に配慮した、簡単でおいしい家庭料理をテーマに、『オレンジページ』『ESSE』などの生活雑誌や企業PR誌にオリジナルレシピを発表。家電、食品、調味料メーカーのメニュー開発、国内各地の産地・加工品の商品開発などもサポートしている。分かりやすいレシピが好評で、NHK「きょうの料理」「あさイチ」の料理コーナーに定期出演。『まいにち小鍋』『なんでも小鍋』『おつまみが晩ごはん!』(ダイヤモンド社)、『料理のきほん練習帳』(高橋書店)、『とにかく盛り上がる夜ごはん』(文響社)など著書多数。