――筆者のグレッグ・イップはWSJ経済担当チーフコメンテーター ***  ドナルド・トランプ米大統領は、対中関税第1弾を発動した1年余り前、中国との合意目標を今より狭義に定めていた。つまり、米国の対中貿易赤字縮小、および中国に進出する米企業の扱い改善だ。  だがそれ以降、貿易戦争はより大規模かつ深いイデオロギーを巡る対立へと発展した。先週の出来事は、2大経済大国の米中両国が貿易戦争で一時停戦に至ったものの、実のところ新たな冷戦へと近づいている現状を示している。  中国が世界貿易機関(WTO)入りを果たした2001年から17年まで、米中は統合と関与を深化させていった。