• インハウス型のETFが運用資産を集めているが• インハウス型のETFが運用資産を集めているが上場投資信託(ETF)のジョン・ハンコック・マルチファクター・エマージング・マーケッツETF(JHEM)を見たことがあれば、不思議に思ったかもしれない。設立後わずか1年で、2019年のパフォーマンスは他のファンドを下回っているにもかかわらず、経費率は0.55%と、競合するファンドで最もコストの低いSPDRポートフォリオ新興国株式ETF(SPEM)の手数料の5倍の水準だ。しかし、コストの高過ぎるETFは早死にすることが多い競争の厳しい市場で、どういうわけか既に8億900万ドルの資産を集めている。これは、同ファンドの資産の97%がジョン・ハンコック自体(またはその親会社であるマニュライフ・インベストメント・マネジメント)から来ていることが理由だ。これはBYOA(=bring your own assets)と呼ばれ、最近のトレンドの一つだ。投資家の多くは、規模の大きいETFは低コストでパフォーマンスが良く、流動性が高くて取引がしやすいと考えるが、インハウス型(社内資産組成型)のETFには、どの長所も当てはまらない可能性がある。ファンドが自力で成長した訳ではなく、単に発行者が極めて競争の厳しいETF市場で足場固めをしようとしているにすぎないからだ。投資家が分析を行う際は、規模の要因は割り引いて考える必要がある。