理由は後付けに過ぎない

ボーイング社の社運を賭けた開発投資と日常生活の意思決定では、規模も結果の影響度も大きく異なりますが、私たちの日常でもそうした場面はめずらしくありません。何をすべきかの答えは先に出ていて、その理由を後付けするようなことは、よく経験するはずです。

「この後、軽くどう?」。仕事の終わりに突然、そう言って誘われたとき、相手が苦手な先輩ならとっさに理由を見つけて断るし、尊敬している上司なら一も二もなくついていく。そんな対応を、あなたもごく普通にとっているのではないでしょうか。

行く(行かない)ことによる効果(つまらない話で無駄な時間を過ごさずにすむ、上司に自分をアピールするチャンスが得られる)をいろいろ考えてから結論を導き出して、断る場合にはいくつもの理由の中から最適なものを選び出すといった、時間のかかることはしないはずです。

そんな悠長な対応をしていたら、行くにしろ断るにしろ、相手の心証を悪くするのは避けられません。このような速さが成果を生む場面で効果を発揮するのが、OODAループ思考です。