江東区,小学校区江東区の中でも「教育環境力」が高い小学校区はどこ? Photo:PIXTA

よりよい教育環境を目指して、小学校区を選ぶ時代になった。だが、子どもの教育環境においてどこが優れた地域なのかを見極めることは難しい。そこで、ダイヤモンド・アナリティクスチームでは特集「東京・小学校区『教育環境力』ランキング」と題して、都内の公立小学校区の教育環境力に迫った。本編の公開に先駆け、49自治体別にランキング形式で上位校区を紹介しよう。今回は江東区編だ。

江東区の教育環境力ランキング

 1位豊洲北小学校区、2位豊洲小学校区、3位越中島小学校区――。

 よりよい教育環境を目指して、教育熱心な親が公立の小学校区を決めてから引っ越しをする現象が起きている。「公立小移民」とも呼ばれるこの現象は、不動産業者が有力校区を売り文句にすることもあって、東京において過熱気味である。引っ越しをすれば小学校を選べるだけでなく、公立のために教育費を抑えられるとあって、子どもの受験を見越した親が教育環境に恵まれた小学校区に移住しているのだ。

 とはいえ、都内の小学校だけで1000校以上もある一方で、個別の学力データは開示されていない。そのため、教育熱心な親ほどどの学校がよいのかと頭を抱えていることだろう。

 それでは、果たしてどの小学校区が教育環境に優れているのか。ダイヤモンド・アナリティクスチームは、小学校の通学区域(町丁ベース)を基に、オープンデータを用いて周辺地域のデータを収集。学力と関係のある推計年収をはじき出し、教育や住まい環境に関連のあるデータを踏まえて「教育環境力」として得点化した。

 次ページからは、江東区におけるトップ20位の教育環境力データをランキング形式で公開する。ランキング作成方法については最後のページに記載した。特集本編や他の関連記事は特集ページで随時更新をしていくので、小学校区選びの参考にしてもらいたい。

ランキング表の見方と解説

 ランキング対象は次の通り。ただし、2018年度の校名データを基準としている。

ランキング対象区:豊洲北小学校区、南陽小学校区、第二辰巳小学校区、平久小学校区、豊洲小学校区、南砂小学校区、第四砂町小学校区、北砂小学校区、臨海小学校区、第一亀戸小学校区、水神小学校区、香取小学校区、浅間竪川小学校区、第二亀戸小学校区、第三大島小学校区、第二大島小学校区、第一大島小学校区、毛利小学校区、八名川小学校区、第五大島小学校区、東川小学校区、深川小学校区、大島南央小学校区、東砂小学校区、第六砂町小学校区、小名木川小学校区、川南小学校区、扇橋小学校区、元加賀小学校区、明治小学校区、第七砂町小学校区、第二砂町小学校区、砂町小学校区、東陽小学校区、数矢小学校区、第五砂町小学校区、第三砂町小学校区、越中島小学校区、枝川小学校区、辰巳小学校区、第四大島小学校区、亀高小学校区
なお、次の小学校区は新設・移転、データ欠損などによりランキング対象から除外している。
ランキング対象外区:東雲小学校区、有明小学校区、豊洲西小学校区

 それでは以下の表の見方と解説を踏まえて、次ページから上位校区の詳細を見ていこう。

教育環境力ランキング表の見方と解説
順位 小学校区 得点
児童数 2018年度 学級あたり 特別学級を除く1学級あたりの児童数(2018年度)
教員数 2018年度 支援学級 特別支援学級や日本語学級の有無(2018年度)
モデル校 2019年度区・市別の研究協力・推奨・推進・指定校・創意工夫ある学校等 主な内容 左記の具体的な研究内容(複数ある場合は主なもの)
推計年収 各種データからの推計値 高年収比 推計年収1000万円以上世帯の比率
四大卒比 大学・大学院卒業率(2010年) 周辺人口 対象地域の総人口(2015年)
高齢者比 65歳以上人口比率(2015年) 外国人比 外国人人口比率(2015年)
住宅地価 小学校から半径1キロ圏内の住宅地域の公示地価平均(2019年) 商業地価 小学校から半径1キロ圏内の商業地域の公示地価平均(2019年)
犯罪発生 周辺人口千人あたりの犯罪認知件数(2018年) 高層世帯比 11階以上の建物に住む世帯比率(2015年)
管理職比 管理的職業従事者比率(2015年) 専門職比 専門的・技術的職業従事者比率(2015年)
持ち家比 持ち家世帯の比率(2015年) 借家比 民営の借家世帯の比率(2015年)
官舎社宅比 公務員官舎や社員寮、社宅などの給与住宅世帯の比率(2015年) UR公社比 公営・都市再生機構・公社の借家世帯の比率(2015年)