今年の夏、“手足口病”という感染症が大流行して話題になった。主に4歳以下の幼児を中心に感染が広がる疾患だが、大人になって感染して重症化するケースもあるという。なかなか名前にインパクトがある手足口病とは、いったいどのような疾患なのか。(清談社 真島加代)

まれに重篤な合併症を
発症するケースも

手足口病の発疹
夏だけでなく、秋から冬にかけても感染の可能性がある手足口病。ありふれた病気だが、重症化すると命に関わることもあり、軽視はできない Photo:PIXTA

 乳幼児を中心に、夏場に流行する手足口病。小さなお子さんを持つ家庭では、特に注意しなければならない感染症だ。その名の通り、手・足・口に症状が現れるという。

「手足口病に感染すると3~5日後には、口の中や手のひら、足底や足の甲に2~3mmの水疱性発疹が出るのが特徴です。約3分の1の患者に発熱が見られますが、通常は38℃以下でそれほど高くはならず、数日間のうちに治る病気です。ただし、ウイルスの種類によっては、発熱が見られる症例が多いことも報告されています【*】」

 そう話すのは、国立感染症研究所感染症疫学センター・第四室長の藤本嗣人氏。手足口病は、コクサッキーウイルスA6、コクサッキーウイルスA16、EV71などの「エンテロウイルス」が病原体となって発症する。これらのウイルスが、脳炎をおこすケースもあるそう。

「まれにですが、髄膜炎や小脳失調症、脳炎などの中枢神経系の合併症、心筋炎、神経原性肺水腫、急性弛緩性麻痺など重篤な病につながることも。なかには、感染しても手足口病の症状が現れず、脳炎や髄膜炎を起こす例もあります。また、コクサッキーウイルスA6に感染すると、1~2ヵ月後に爪が剥がれる事例も報告されていますね」

【*】Di B, Zhang Y et al. Circulation of Coxsackievirus A6 in hand-foot-mouth disease in Guangzhou, 2010-2012. Virol J. 2014 Sep 1;11:157. doi: 10.1186/1743-422X-11-157. PubMed PMID: 25178398.