日産自動車は、経営立て直しに向けた長い道のりでまたつまずいてしまった。日産に長年君臨してきたカルロス・ゴーン被告が逮捕された昨年11月以降、同社は不振にあえいでいる。12日の東京市場引け後に発表した四半期決算はまたしてもさえない結果に終わった。営業利益は前年比7割減、売上高も7%落ち込んだ。S&Pグローバル・マーケット・インテリジェンスによると、どちらも市場予想に届かなかった。日産はまた、通期の売上高・利益見通しも下方修正。株価はゴーン被告の逮捕以降、3割下落している。日産が目下、苦境に追い込まれている一因は、ゴーン被告退場後の経営トップ不在だが、自動車市場の世界的な低迷や円高も状況をさらに悪化させている。中国事業のトップを務める内田誠氏は来月、新最高経営責任者(CEO)に就任する予定で、過去を清算して新たなスタートを切りたいと考えるかもしれない。前CEOの西川広人氏は9月、不適切な株価連動型の報酬を受け取っていたことが内部調査で発覚し、辞任に追い込まれた。