株価イメージ
写真はイメージです Photo:PIXTA

国内景気は力強さを欠く一方で
先行き懸念が弱まる世界景気

 11月に入り日経平均株価が昨年10月以来の高値を付けるなど、株価は堅調な推移が続いている。国内の景気指標は、力強さを欠くものが多く、加えて、19年10月の消費税率引き上げの影響も見極めがついていない。一方で、世界経済の先行きに対する懸念が弱まり、企業収益の回復への期待が高まっており、株価の上昇の背景となっている。

 世界経済の先行き懸念の弱まりは、10月に米中貿易協議が再開され、交渉の進展で米中摩擦の激化に歯止めがかかるとの観測が大きいが、足元で減速が続いてきた世界経済に持ち直しの兆しが現れていることもある。

 世界経済の動向を示す指標としてよく用いられるのが、企業の景況感を示す製造業景況指数(PMI)だ。世界全体の製造業PMIは、19年8月に1年4ヵ月ぶりに前月比で上昇し、その後、9、10月も水準を切り上げている。

半導体部門は世界的に復調
来年も増勢が続く見込み

 製造業PMIの持ち直しの背景として、半導体部門の世界的な復調がある。データセンター投資が回復傾向にあり、次世代通信規格5Gの関連需要も予想以上に拡大している。人工知能(AI)の深層学習の利用が拡大し、データセンターが高機能化しているほか、韓国や米国では5Gの商用化が始まっており、半導体需要に下げ止まりの動きが出ている。

 米国半導体工業会(SIA)が毎月発表する世界半導体売上高(3ヵ月移動平均)は、19年4月を底に増加に転じている。同売上高は、毎年この時期に増加する傾向にあり、季節要因も大きいが、筆者が推計する季節調整値でも、19年に入り前月比減少幅の縮小が続き、10月には前月比年率で13%増と急増している。世界の半導体売上高は、季節要因を除いても増加に転じた可能性がある。