企業間の争いが法廷に舞台を移すということは、競争が一段と激しくなっているということだ。米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)は20日、フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)が全米自動車労働組合(UAW)との交渉で不正に利益を得たとして提訴した。95ページにわたる訴状では、とりわけ業界全般の先例となった2015年の団体交渉妥結で、FCAとUAWが結託したと主張。GMは「コスト上昇という形で多額の損害」を被ったとしている。FCAは21日、「徹底的に抗弁する」と言明。GMによる訴訟は「自社の問題から注意をそらすための無益な試み」だと述べた。この訴訟の背景にあるのは、高収益ながら頭打ちとなっているピックアップトラックとスポーツタイプ多目的車(SUV)の米国市場、すなわち両社にとってのスイートスポットだ。
GMのFCA提訴、競争意識あらわ
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