メタボリック症候群で指摘される「内臓脂肪」を落とすのも、基本は体重コントロールだ。かつて肥満から“脱出”した経験を持つ本誌記者があらためて管理栄養士の教えを請うた。
「ウッ、これはヤバイ」
体重計に乗り、思わず絶句する。これは女性に限らず、多くの男性も体験することだろう。
私事で恐縮だが、記者(男性、40歳、身長173センチメートル、妻子持ち)もその1人。メタボリック症候群の危険性が指摘される昨今、「どれどれ」と半年ぶりに乗った体重計の針は、なんと76キログラムを指していた。
じつは、30代前半のときの体重は80キログラムを超え、腹回りも限りなく3ケタ(100センチメートル)に近かった。当然ながら、血圧も中性脂肪、肝機能などの値も基準値を大きく突破。医師にとがめられ、管理栄養士の指導により、体重を70キログラムまで減らすことに成功した。6年ほど前のことである。
ところが、最近、体重が徐々に増加し、現在の腹回りは85センチメートルを超え、健康診断で「高血圧症」と指摘された。
もはや「男性で腹回り85センチメートル以上、高脂血症、高血糖、高血圧の4つの症状のうち、2つが該当する」というメタボリック症候群の「予備群」である。そこで、管理栄養士の加福文子・辻学園教授に、「正しい食事療法(ダイエット)」について、あらためて講義をしてもらった。
加福教授は「原則的に、食べていけない食品はありません。大事なのは、食事のタイミングや栄養バランスです」と強調しながら、「食生活の基本10ヵ条」を挙げた。