ところが、我々の懸念は杞憂に終わりました。そのチームは、役員の変更後、わずか1ヵ月足らずで、激変したからです。
 従業員の士気は急激に改善され、退職リスクの高かった社員も、3ヵ月程度で持ち直しました。そして、それまで大幅な未達が続いていたチームの数字も回復し、未達分を回収するまでに至ったのです。その後もチームはぐんぐんと勢いをつけ、足を引っ張っていたチームが会社全体を牽引するまでに成長し、その後の会社の勢いをつくっていきました。まるでドラマのような展開でした。

どんな企業も3年で変われる!

 私はこの経験を経て、確信したことがあります。それはまず、組織は変われるということ。 これはデータでも証明されています。
 下の図は、従業員からの評価を2015年・2018年それぞれで集計し、変化量を調査したものです(各年の現職回答数10件以上の企業に限定)。図は調査した約2400社のうち、変化量の多かった上位24社を並べています。
 この図を見て、どう感じるでしょうか?  私は「希望があるな」と感じました。なぜなら、設立年度が比較的古い会社であっても、企業は3年で変われることを表しているからです。

 一般的に、組織が変わるには、長い年月がかかると思われがちです。私も大企業で働いていたとき、「大きな組織では、染みついた行動様式はなかなか変わらないなぁ」と感じたことがあります。しかし、『OPENNESS  職場の「空気」が結果を決める』で調査した結果によると、従業員が5000人や1万人を超える企業であっても、そして設立年度が古い企業であっても、たった3年で「職場の空気」が変わることを示唆しています。
 では、変化を起こす原動力はいったいなんなのでしょうか。