待望の新刊、『OPENNESS  職場の「空気」が結果を決める』が発売5日目に重版し、3万部を突破。著作の合計部数も30万部を超えた北野唯我氏。いま、人材マーケット最注目の論客であり、実務家だ。
その北野氏が、今回選んだテーマは、「組織」。発売即、重版が決まった自身初の本格経営書「ウチの会社、何かがおかしい?」という誰もが一度は抱いたことがある疑問を科学的、構造的に分析し、鮮やかに答えを出している。
なぜ、あなたの職場は今日も息苦しいのか。具体的に、何をすれば「オープネスが高い」組織がつくれるのか。明日、少しでも楽しく出社するために、一人ひとりができることは何か。本連載では、これらの疑問について、独自の理論とデータから解説する。

Photo: Adobe Stock

 「この会社は、なかなか変わらないよ」
 「経営陣は何もわかっていない。変わろうとしていない」

 大きな企業になればなるほど、必ずと言っていいほど社員からこうした声を聞きます。私自身も大企業で働いていた経験があるから気持ちはわかります。とくに「大きな会社になればなるほど、社風は変わらない」というどこか諦めに近い気持ちを抱きがちです。結果的に、優秀で意欲の高い人間が早めに見限り、外に出てしまうという傾向さえあります。私もかつてはそう思っていました。

 しかし、経験とデータから今は違うと確信しています。まず1つは、私の実体験です。

崩壊寸前のチームが1ヵ月で激変した

「困ったもんだ。どうしようか……」。その日、私たちは困惑していました。当時、従業員のデータをリアルタイムで把握するツールを導入していた私たちは、あるチームの異変に気づいていました。具体的には、ある特定のチームの状態があきらかに悪化していたのだ。そのチームは、事業の根幹を担う重要な部署でした。
 このままいくと、退職者が続出するに違いない。なんとかしなければならない。そう考えた私たちは、その事業を担当する役員を変更する意思決定をしました。不安はありました。    
 なぜなら、新たに就任する担当役員は「その事業のプロフェッショナル」ではなかったからです。むしろ専門性で言うと、既存の担当者のほうが経験豊富でした。その意味で「経験が豊富だが、相性がよくない上司」か、「その領域で経験は浅いが、人望がある上司」のどちらを選ぶのか、という難しい問題だったのです。