あっと言う間にお正月がやってくる。昨年はこの時期に「開運祈願の方法」をお伝えしたが、今年も神社仏閣に詳しい神社探究家の浜田浩太郎氏に、「そもそも初詣とはなんぞや?」という基礎知識、そして願いが叶う初詣のやり方をレクチャーしてもらおう。(取材・文/エッセイスト 鳥居りんこ)
●聞き手/鳥居りんこ(開運願望のあるエッセイスト)
●語り手/浜田浩太郎(神社探究家)
初詣は近代になって
始まった新しい風習だった?
――やっぱり初詣って、年の始めには欠かせない行事ですよね? 神社に行って開運祈願をするのは“当たり前”のようですが、そもそも初詣って、いつから始まった風習なんですか?
新しい年に、その年の安寧を願って神社仏閣に参拝するのが初詣ですね。普段、神社仏閣に行かない人も、この初詣は欠かせない風習であり、昔から行われていた風習だと思われる方も多いと思います。
しかし実は、初詣は近代になって始まった新しい風習なんですよ。
――え~、そうなんですか? 大昔からの風習ではないんですか? でも、神社って大昔からそこに存在していません?
そうですね、古代から存在している神社も多いですが、大昔には初詣という習慣はなかったんです。中世の時代に入ると、公家や武家が大晦日の夕方から、自分たちの土地の氏神がいる神社に一晩中籠って、新しい年を迎える「年籠り(としごもり)」と呼ばれる風習を行うようになりました。
やがて江戸時代に入ると、身分を問わず大晦日の除夜詣が始まったんですね。それから、徐々に現在の初詣の原型となる元旦詣が盛んになってきたのです。
さらに江戸時代の元旦詣には、恵方参りと呼ばれる風習が加わりました。