米連邦預金保険公社(FDIC)によると、米銀行業界は極めて収益性が高く、貸し出しは増え、経営に行き詰まった法人数は2007年前半以降で最も少ない。珍しいことに2018年には経営破綻した銀行が全くなく、19年5月末以降で小規模の銀行4行が破綻しただけだ。ただ、一部の銀行業界アナリストや元規制当局者は、経営破綻が非常に少なかったことは隠れたリスクが積み上がっている兆候かもしれないと指摘している。元FDIC副総裁のトーマス・ホーニグ氏は最近のインタビューで「不良債権が生まれるのは、極めて落ち着いた状況のように思われ銀行の破綻が全くないという好況のさなかだ」と述べた。18年以外で銀行破綻が起きなかったのは、記録によれば05年と06年だけだ。この時期には住宅価格が高騰し、銀行はサブプライム住宅ローン(信用度の低い借り手への住宅融資)に沸き、金融危機の下地を作っていた。
米銀破綻の少なさ、金融システムへの警鐘か
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