カスハラ時代のクレーマー
普通の人が悪質なクレーマーになるケースが急増しています Photo:PIXTA

普通の人が些細なことでクレーマーになる時代

「おい、どういうことなんだよ! ばかにしてんのか? 謝罪しろ!」

 もし、お客様からいきなり怒鳴られたらどうしますか? 頭が真っ白になって、パニックに陥ってしまう人も多いでしょう。

 また、ていねいに対応しようとしても、燃え盛る炎のごとく一向に怒りが収まらない相手からは、真の要求・要望を読み取ることは難しいものです。

 最近特に感じるのは、普通の人が些細なことで自己中心的なクレーマーになり、その対応に苦慮するケースが急増していることです。クレーマーの目的や要求は、第二の感情――心の中の闇――に隠され、外見からは判断しにくいのです。

 このようなクレーマーが、ゾンビのように日々増殖しています。クレームを取り巻く状況は、まさに不透明で不穏な時代を映し出しているように感じます。

 私は39歳のとき、大阪府警からスーパーマーケットの渉外担当に転身し、難渋クレームの対応を任されるようになりました。

 刑事時代、寄せられたトラブルやクレームの相談には「毅然と対応してください」「不当な要求ならば、きっぱりと断ってください」と指導していましたが、民間企業でいかにそれが難しいことか、身をもって学びました。昼夜を問わず、鳴り響く携帯電話の呼び出し音に跳ね起き、汗をかきながら必死に対応してノウハウを積み重ねたのです。

 そして、コンサルタントとして独立。この転職が「天職」になり、いまも企業や店舗、病院、学校、役所などからの要請で、クレーム対応の最前線に立っています。警察官だった頃も含めて、常に現場で生きてきた私のもとには、クレーム対応に苦慮する担当者から、さまざまな難渋クレームやトラブルの相談が寄せられます。

 これまで二十数年間、クレームにかかわってきましたが、その相談件数は年々増加しています。しかし特筆すべきは、以前とは比べものにならないほど、「見極めと対応」が難しくなってきていることです。