米国の国旗Photo:PIXTA

 米大統領選挙が行われる2020年は、米軍によるイラン革命防衛隊ソレイマニ司令官の殺害という衝撃的な事件での年明けになった。

 イランとの緊張が高まる中、トランプ大統領は、イランにダメージを与えたことを早速、アピールし、大統領選に向け、求心力を強めることにギアを上げた。

 イラン側の「報復」が抑制的だったこともあって、米・イランの全面衝突は回避されたが、「再選優先」のトランプ大統領が、選挙戦に有利になるようにイラン問題を今後も利用する可能性は高い。

全面衝突は回避されたが
注目される新たな制裁の中身

 昨年11月に米中通商協議で妥協の産物「フェーズ1合意」を結び、ひとまず中国とは「ディール(取引)」成立を演出したことで再選を狙うトランプ大統領が次に圧力をかけるのは、中東か、欧州か、と米国内では注目はされていた。